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和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

夏の和歌 木の葉に雨がたたきつけられてセミの声が静かになる ― 蝉のこゑは風にみだれて吹きかへす楢の広葉に雨かかるなり

蝉のこゑは風にみだれて吹きかへす楢の広葉に雨かかるなり (風雅集・夏歌・夏の歌の中に・二品法親王尊胤・419) 現代語訳 (真夏の日差しが照りつける中、急に吹き下ろした冷たい風に)蝉の声は風に乱れて吹き返される。(にわかに空がかき曇ったかと思う…

夏の和歌 天使のはしごが露をつらぬく ― むら雲はなほ鳴る神のこゑながら夕日にまがふささがにの露

むら雲はなほ鳴る神のこゑながら夕日にまがふささがにの露 (後鳥羽院御集・正治初度百首・夏十五首・32・12世紀) 現代語訳 (雨がやんでも空を覆う)群雲はなお雷の音を響かせていながら西の空は雲が切れて夕日(が射し込みその光そのもの)と見間違えそう…

五月雨の和歌 あやめの香る雨のしずくに ― 五月雨の空なつかしきたもとかな軒のあやめの香るしづくに

五月雨の空なつかしきたもとかな軒のあやめの香るしづくに(拾玉集・秀歌百首草・夏十五首・慈円/男性・3087・12世紀) 現代語訳 五月雨の空に心ひかれる(までに香るわたしの袖の)袂であることよ。軒に葺いたあやめが香る(五月雨の雨とともにしたたりお…