夏歌(Summer)-風(Wind)
蝉のこゑは風にみだれて吹きかへす楢の広葉に雨かかるなり (風雅集・夏歌・夏の歌の中に・二品法親王尊胤・419) 現代語訳 (真夏の日差しが照りつける中、急に吹き下ろした冷たい風に)蝉の声は風に乱れて吹き返される。(にわかに空がかき曇ったかと思う…
水無月の草もゆるがぬ日盛りに暑さぞしげる蝉のもろ声 (拾玉集・日吉百首和歌・夏十首・426) 現代語訳 6月の(猛暑のころに頼りの風も止んでしまって)草ひとつそよがない炎天下に(じりじりと)暑さを増してゆく蝉の声々。 内容解説 旧暦と新暦は1ヶ月ほ…
蝉の鳴く木末を分けて吹く風に夏を忘れて夏にこそあへ (他阿上人集・夏・他阿上人/男性・882・13世紀) 現代語訳 蝉が鳴く木々の梢をわけて吹き下ろす風の涼しさに、(思わず)夏の暑さを忘れて(涼んだと思ったけれど、そうではなくて、夏を忘れさせるこ…
夏草をよめる潮満てば野島が崎のさゆり葉に浪こす風の吹かぬ日ぞなき (千載集・雑・源俊頼/男性・1045・11世紀) 現代語訳 「夏草」という題で詠んだ(歌)(夏のあいだ中、)潮がみち(てくる時間にな)れば、野島が崎の(岸辺に揺れる)小百合の葉の上に…
永日すらながめて夏を過ぐすかな吹きくる風に身をまかせつつ (好忠集・六月はじめ・曽祢好忠/男性・163・10世紀) 英語(English) 現代語訳 (夏の)ながい一日でさえ(ただ空を)ながめて夏をすごしています。吹きくる風にただ身をまかせつつ。 内容解説 …
Nagabisura nagametenatuwo sugusukana fukikurukazeni miwomakasetsutsu. (Yoshitada Collection (also know as: Sotan (曾丹) Collection), an early June, Sone no Yoshitada / male, 163,10c) Japanese(日本語) Translation into modern Japanese I sp…