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和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

恋歌(Love)

恋の和歌 心、恋、たったひとつ ― ふたつなき心は君におきつるをまたほどもなく恋しきやなぞ

本院の東の対の君にまかりかよひて、あしたに ふたつなき心は君におきつるをまたほどもなく恋しきやなぞ (拾遺集・恋二・大納言源きよかげ・721) 現代語訳 ふたつとない(私の)心は(あなたを愛するあまりに)あなたのもとに置いてきましたのに、(離れた…

恋の和歌 紅の花に染められたように、あなたを深く思っています ― 紅のはつ花染めの色ふかく思ひしこころ我忘れめや

くれなゐのはつ花染めの色ふかく思ひしこころ我忘れめや (古今集・恋歌四・題しらず・よみ人しらず・723) 現代語訳 紅花の、その紅色の初花で染めた色(のように心に)深く染められたこの恋を私が忘れることがあるでしょうか。(いいえ、忘れるはずがあり…

恋の和歌 好きだけど、その人についてまだなにも知らない ― まだしらぬ人をはじめて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ

その人について、まだ何もしらない。どんな人なのか、どうしたら会えるのか、わからない。好きだけれど、手がかりがない。手がかりがないけれど、あなたに伝えたくて、会いたくて、あなたが好きだというこの思いだけがあなたとわたしをつないでいる、という…

恋の和歌 心、恋、ばらばらに ― きみ恋ふる心は千々にくだくれどひとつもうせぬものにぞありける

あまりに好きで、好きで心が壊れそうで、壊れて散ってなくなってしまったら忘れられるかと思ったのに、ただのひとつもなくなってくれずにわたしを苦しめ続ける。 もう心はとうに壊れているのです。壊れてしまって、そのばらばらになった心のかけらをじっと見…

恋の和歌 ああよくあることだよねー笑 っていわれる温度差 ― 言へば世のつねのこととや人は見む我はたぐひもあらじと思ふを

言へば世のつねのこととや人は見む我はたぐひもあらじと思ふを (重之女集・恋廿首・89) 現代語訳 (あの人が好きですと)言葉にすれば、どこにでもある恋だと人は見るでしょうか。私にとっては何ものにも代えがたいただひとつの恋だと思っておりますのに。…

恋の和歌 A君はBさんが好きでBさんはC君が好きでどうにもならない ― 我を思ふ人をおもはぬむくいにや我が思ふ人の我をおもはぬ

我を思ふ人を思はぬむくいにや我が思ふ人の我をおもはぬ (古今集・雑体・俳諧歌・題しらず・読人知らず・1041) 現代語訳 私を愛してくれた人を(私が)愛さない報いなのだろうか、私の愛している人が私を愛してくれない(のは)。 内容解説 何という三角関…

恋の和歌 雨のしずくが落ちるように、あなたを思い続けています ― 雨やまぬ軒の玉水かずしらず恋しき事のまさるころかな

人につかはしける雨やまぬ軒の玉水かずしらず恋しき事のまさるころかな (後撰和歌集・恋一・平兼盛/男性・578・10世紀) 現代語訳 (思いを寄せている)女性に贈った歌雨がやまない(日の、私の家の)軒先から宝石のように透きとおった雨水が数えきれない…

恋の和歌 風邪をひいたのに彼氏が見舞いに来なかった話 ― 死出の山ふもとを見てぞ帰りにしつらき人よりまづ越えじとて

心地損なへりけるころ、あひ知りて侍りける人の訪はで 心地おこたりてのちとぶらへりければ、詠みてつかはしける 死出の山ふもとを見てぞ帰りにしつらき人よりまづ越えじとて (古今集・恋歌五・兵衛/女性・789・9世紀) 現代語訳 (私が)病気をしていたこ…

恋の和歌 だって、逢ってくれないではないですか ― 死ぬ死ぬと聞く聞くだにもあひ見ねばいのちをいつの世にか残さん

返死ぬ死ぬと聞く聞くだにもあひ見ねばいのちをいつの世にか残さん (後撰和歌集・恋三・源信明/男性・708・10世紀) 現代語訳 (中務の歌への)返歌(そうはおっしゃいますけど、)「死ぬ死ぬ」と(何度申し上げても)「はいはい何度も聞きました」と言う…

恋の和歌 わたしに逢えないなら死ぬ、ですって? ― いたづらにたびたび死ぬといふめれば逢ふには何を替へんとすらん

源さねあきら、たのむことなくは死ぬべしといへりければいたづらにたびたび死ぬといふめれば逢ふには何を替へんとすらん (後撰和歌集・恋三・中務/女性・707・10世紀) 現代語訳 源信明が、「(中務に)逢えないなら死にたい」と言ってきたので、(ふつう…

恋の和歌 それ以上に愛しています ― わびしさをおなじ心ときくからにわが身をすてて君ぞかなしき

(今朝あなたと別れてからずっと)わびしさを(抱えて耐えかねていましたが、あなたもわたしと)同じ心(で今朝の別れをつらいと思っていらっしゃる)と聞いたために、我が身を捨ててもよいほどあなたがいとおしく思われることです。

恋の和歌 同じように愛している? ― はかなくておなじ心になりにしを思ふがごとは思ふらんやぞ

をとこのもとにつかはしけるはかなくておなじ心になりにしを思ふがごとは思ふらんやぞ (後撰和歌集・恋一・中務/女性・594・10世紀) 現代語訳 (あなたが私をどれほど愛しているか)確かめないまま同じ心になってしまいましたものの、(私があなたを)愛…

恋の和歌 一瞬の、君 ― 朝影にあが身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに

朝影にあが身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに (万葉集・巻第十一・正述心緒・2394・8世紀) 現代語訳 朝方の(薄く弱々しい)影のように、わたしの身は(やつれて細く)なってしまいました。ほのかに(私の目の前に)現れてそのまま去って行…

恋の和歌 あなたの影になりたい ― 恋すればわが身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ

恋すればわが身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ (古今和歌集・恋歌一・題しらず・読人しらず・528・10世紀) 現代語訳 (あなたに)恋をしたせいで、私は影のように(やせ細って弱々しく)なってしまいました。だからといって(影のように)あ…

恋の和歌 逢うほどに苦しいから ― あひ見てはなぐさむやとぞ思ひしを名残しもこそ恋しかりけれ

あひ見てはなぐさむやとぞ思ひしを名残しもこそ恋しかりけれ (拾遺集・恋二・題しらず・坂上是則・711・10世紀) English(英語で読む) 現代語訳 (あなたに)逢ってみたら(今までのつらい気持も)慰められるだろうと思ったのに、(あなたに逢った)その…

Japanese Waka-Love : The meeting hurts me – Aimitewa nagusamuyatozo omoishiwo nagorisimokoso koishikarikere.

Aimitewa nagusamuyatozo omoishiwo nagorishimokoso koishikarikere. (The Shūi Wakashū (Love 2), Unknown subject, Sakanoue no Korenori, 711,10c) 日本語(Japanese) Translation into modern Japanese I thought meeting (with you) could eased me (th…

恋の和歌 夢ならば、逢わなければよかった ― 夢よ夢恋しき人にあひ見すなさめてののちにわびしかりけり

題しらず夢よ夢恋しき人にあひ見すなさめてののちにわびしかりけり (拾遺集・恋二・題しらず・よみ人しらず・709・11世紀) English(英語で読む) 現代語訳 歌の題は不明夢よ、夢。決して(夢の中で)恋しい人に逢わせないでくれ。目覚めた後に(ああ夢だ…

Japanese Waka-Love Dream : If it is a dream, it was better not to meet – Yumeyoyume koishikihitoni aimisuna sametenonochini wabishikarikeri.

Unknown subject Yumeyoyume koishikihitoni aimishuna sametenonochini wabishikarikeri. (The Shūi Wakashū (Love 2), Unknown subject, Unknown author, 709,11c) 日本語(Japanese) Translation into modern Japanese Unknown subject Alas, dream, Pleas…