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和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

夏の和歌 涼しさがうれしいのは夏だからだよね ― 蝉の鳴く木末を分けて吹く風に夏を忘れて夏にこそあへ

蝉の鳴く木末を分けて吹く風に夏を忘れて夏にこそあへ (他阿上人集・夏・他阿上人/男性・882・13世紀) 現代語訳 蝉が鳴く木々の梢をわけて吹き下ろす風の涼しさに、(思わず)夏の暑さを忘れて(涼んだと思ったけれど、そうではなくて、夏を忘れさせるこ…

夏の和歌 夜の清水に月が映る ― さらぬだに光涼しき夏の夜の月を清水にやどしてぞみる

さらぬだに光涼しき夏の夜の月を清水にやどしてぞみる (千載集・夏歌・題しらず・顕昭法師・213・12世紀) 現代語訳 ただでさえ(夜空にあるだけで)光涼しく見える夏の夜の月を冷たい清水に映して見る(時の、なんと清らかに澄みきった輝きだろう)。 内容…

夏の和歌 はるかな夏の海 ― 潮満てば野島が崎のさゆり葉に浪こす風の吹かぬ日ぞなき

夏草をよめる潮満てば野島が崎のさゆり葉に浪こす風の吹かぬ日ぞなき (千載集・雑・源俊頼/男性・1045・11世紀) 現代語訳 「夏草」という題で詠んだ(歌)(夏のあいだ中、)潮がみち(てくる時間にな)れば、野島が崎の(岸辺に揺れる)小百合の葉の上に…

夏の和歌 風に吹かれて夏をすごす ― 永日すらながめて夏を過ぐすかな吹きくる風に身をまかせつつ

永日すらながめて夏を過ぐすかな吹きくる風に身をまかせつつ (好忠集・六月はじめ・曽祢好忠/男性・163・10世紀) 英語(English) 現代語訳 (夏の)ながい一日でさえ(ただ空を)ながめて夏をすごしています。吹きくる風にただ身をまかせつつ。 内容解説 …

Japanese Waka-Summer:Spending summer days while being in a breeze of wind – Nagabisura nagametenatuwo sugusukana fukikurukazeni miwomakasetsutsu.

Nagabisura nagametenatuwo sugusukana fukikurukazeni miwomakasetsutsu. (Yoshitada Collection (also know as: Sotan (曾丹) Collection), an early June, Sone no Yoshitada / male, 163,10c) Japanese(日本語) Translation into modern Japanese I sp…

雑の和歌 雨の夜に生涯をふりかえる ― 夜もすがら涙も雨もふりにけり多くの夢の昔語りに

雨夜老人思といへる心を夜もすがら涙も雨もふりにけり多くの夢の昔語りに (続後撰集・雑歌下・大納言隆親・1206・13世紀) 現代語訳 雨の夜の老人の物思い、という主題を(雨の夜に、過ぎ去った過去のあれこれを思っていると、若かった頃のこと、亡くなった…

恋の和歌 だって、逢ってくれないではないですか ― 死ぬ死ぬと聞く聞くだにもあひ見ねばいのちをいつの世にか残さん

返死ぬ死ぬと聞く聞くだにもあひ見ねばいのちをいつの世にか残さん (後撰和歌集・恋三・源信明/男性・708・10世紀) 現代語訳 (中務の歌への)返歌(そうはおっしゃいますけど、)「死ぬ死ぬ」と(何度申し上げても)「はいはい何度も聞きました」と言う…

恋の和歌 わたしに逢えないなら死ぬ、ですって? ― いたづらにたびたび死ぬといふめれば逢ふには何を替へんとすらん

源さねあきら、たのむことなくは死ぬべしといへりければいたづらにたびたび死ぬといふめれば逢ふには何を替へんとすらん (後撰和歌集・恋三・中務/女性・707・10世紀) 現代語訳 源信明が、「(中務に)逢えないなら死にたい」と言ってきたので、(ふつう…

恋の和歌 それ以上に愛しています ― わびしさをおなじ心ときくからにわが身をすてて君ぞかなしき

(今朝あなたと別れてからずっと)わびしさを(抱えて耐えかねていましたが、あなたもわたしと)同じ心(で今朝の別れをつらいと思っていらっしゃる)と聞いたために、我が身を捨ててもよいほどあなたがいとおしく思われることです。

恋の和歌 同じように愛している? ― はかなくておなじ心になりにしを思ふがごとは思ふらんやぞ

をとこのもとにつかはしけるはかなくておなじ心になりにしを思ふがごとは思ふらんやぞ (後撰和歌集・恋一・中務/女性・594・10世紀) 現代語訳 (あなたが私をどれほど愛しているか)確かめないまま同じ心になってしまいましたものの、(私があなたを)愛…

恋の和歌 一瞬の、君 ― 朝影にあが身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに

朝影にあが身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに (万葉集・巻第十一・正述心緒・2394・8世紀) 現代語訳 朝方の(薄く弱々しい)影のように、わたしの身は(やつれて細く)なってしまいました。ほのかに(私の目の前に)現れてそのまま去って行…

恋の和歌 あなたの影になりたい ― 恋すればわが身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ

恋すればわが身は影となりにけりさりとて人に添はぬものゆゑ (古今和歌集・恋歌一・題しらず・読人しらず・528・10世紀) 現代語訳 (あなたに)恋をしたせいで、私は影のように(やせ細って弱々しく)なってしまいました。だからといって(影のように)あ…

五月雨の和歌 あやめの香る雨のしずくに ― 五月雨の空なつかしきたもとかな軒のあやめの香るしづくに

五月雨の空なつかしきたもとかな軒のあやめの香るしづくに(拾玉集・秀歌百首草・夏十五首・慈円/男性・3087・12世紀) 現代語訳 五月雨の空に心ひかれる(までに香るわたしの袖の)袂であることよ。軒に葺いたあやめが香る(五月雨の雨とともにしたたりお…

桜の和歌 春のおわりの日 ― 何もせで花を見つつぞ暮らしつる今日をし春のかぎりと思へば

何もせで花を見つつぞ暮らしつる今日をし春のかぎりと思へば (躬恒集・屏風・凡河内躬恒/男性・407・9世紀) 現代語訳 何もせず(ただ)花だけを見て過ごしています。今日がこの春の最後の一日だと思えばこそ。 内容解説 そして、躬恒に戻る。いいなあ。「…

桜の和歌 私が死んだら、桜の花を供えてください ― 仏にはさくらの花をたてまつれわがのちの世を人とぶらはば

花のうたあまたよみ侍りける時仏にはさくらの花をたてまつれわがのちの世を人とぶらはば (千載集・雑歌・西行/男性・1067・12世紀) 現代語訳 花の歌をたくさん読みましたとき(に詠んだ歌)(わたしが死んだら、)仏となった私に桜の花を供えてほしい。わ…

桜の和歌 この世のことは、思い通りにならない ― はかなさを恨みもはてじさくら花うき世はたれも心ならねば

落花のこころをよみ侍りけるはかなさを恨みもはてじさくら花うき世はたれも心ならねば (千載集・雑歌・覚性法親王/男性・1053・12世紀) 現代語訳 落花(を思う)心を詠みました(歌)(散る花の)はかなさを恨み続けることはするまい。桜の花よ。憂き世は…

桜の和歌 桜が散って、わたしはひとり取り残される ― ながらへて生けらばのちの春とだに契らぬさきに花の散りぬる

ながらへて生けらばのちの春とだに契らぬさきに花の散りぬる (新後撰集・雑歌・後深草院弁内侍/女性・1252・13世紀) 現代語訳 (私がこの命を)ながらえて生き続けることができたならば、また次の春に(きっとお逢いしましょう)と、せめてそれだけで も…

桜の和歌 次の春まで、私の命はあるだろうか ― 心あらばにほひを添へよさくら花のちの春をばいつか見るべき

五十の御賀すぎてまたの年の春、鳥羽殿のさくらの盛りに、 御前の花を御覧じて、よませ給うける心あらばにほひを添へよさくら花のちの春をばいつか見るべき (千載集・雑歌・鳥羽院/男性・1052・12世紀) 現代語訳 五十歳の祝賀を行った次の年の春、離宮の…

Japanese Waka -Sakura : My life would last until the next spring – Kokoroaraba nioiwosoeyo sakurabana nochinoharuwoba itsukamirubeki.

The retired emperor composed this waka when he saw a fully bloomed sakura-flower at his Imperial villa in the spring of the year after his 50th birthday ceremony. Kokoroaraba nioiwosoeyo sakurabana nochinoharuwoba itsukamirubeki. (The Senz…

桜の和歌 この手に桜を ― なほ折りて見にこそゆかめ花の色香散りなむのちは何にかはせん

なほ折りて見にこそゆかめ花の色香散りなむのちは何にかはせん (躬恒集・屏風・凡河内躬恒/男性・420・9世紀) English(英語で読む) 現代語訳 やはり(桜の枝を)折って見に行こう。(どれほど美しく咲いていても)花の色と香りは、散ってしまったとした…

Japanese Waka-Sakura : Put Sakura in my hand – Naoorite minikosoyukame hananoiroka chirinannochiwa naninikawasen.

Naoorite minikosoyukame hananoiroka chirinannochiwa naninikawasen. (Mitune-collection・Byobu (a holding screen), Ōshikōchi no Mitsune (male), 420, 9C) Japanese(日本語) Translation into modern Japanese Well, let have a piece (of the sakur…

桜の和歌 桜がある限りどこまでも行ける― 桜花咲ける尾上は遠くともゆかむかぎりはなほゆきて見む

桜花咲ける尾上は遠くともゆかむかぎりはなほゆきて見む (躬恒集・屏風・凡河内躬恒/男性・415・9世紀) 現代語訳 桜の花が咲いている山の頂は(どれほど)遠くとも、行きうる限りはやはり(桜を見に)行って見たいよ。 内容解説 春と言えば桜だ、というの…

Japanese Waka-Sakura : I can go anywhere if Sakura (flowers) bloom – Sakurabana sakeruonoewa tohkutomo yukamukagiriwa naoyukitemin

Sakurabana sakeruonoewa tohkutomo yukamukagiriwa naoyukitemin (Mitune-collection・Byobu (a holding screen), Ōshikōchi no Mitsune (male), 415, 9C) Japanese(日本語) Translation into modern Japanese Even though the place where Sakura has bl…

恋の和歌 逢うほどに苦しいから ― あひ見てはなぐさむやとぞ思ひしを名残しもこそ恋しかりけれ

あひ見てはなぐさむやとぞ思ひしを名残しもこそ恋しかりけれ (拾遺集・恋二・題しらず・坂上是則・711・10世紀) English(英語で読む) 現代語訳 (あなたに)逢ってみたら(今までのつらい気持も)慰められるだろうと思ったのに、(あなたに逢った)その…

Japanese Waka-Love : The meeting hurts me – Aimitewa nagusamuyatozo omoishiwo nagorisimokoso koishikarikere.

Aimitewa nagusamuyatozo omoishiwo nagorishimokoso koishikarikere. (The Shūi Wakashū (Love 2), Unknown subject, Sakanoue no Korenori, 711,10c) 日本語(Japanese) Translation into modern Japanese I thought meeting (with you) could eased me (th…

恋の和歌 夢ならば、逢わなければよかった ― 夢よ夢恋しき人にあひ見すなさめてののちにわびしかりけり

題しらず夢よ夢恋しき人にあひ見すなさめてののちにわびしかりけり (拾遺集・恋二・題しらず・よみ人しらず・709・11世紀) English(英語で読む) 現代語訳 歌の題は不明夢よ、夢。決して(夢の中で)恋しい人に逢わせないでくれ。目覚めた後に(ああ夢だ…

Japanese Waka-Love Dream : If it is a dream, it was better not to meet – Yumeyoyume koishikihitoni aimisuna sametenonochini wabishikarikeri.

Unknown subject Yumeyoyume koishikihitoni aimishuna sametenonochini wabishikarikeri. (The Shūi Wakashū (Love 2), Unknown subject, Unknown author, 709,11c) 日本語(Japanese) Translation into modern Japanese Unknown subject Alas, dream, Pleas…

神の和歌 あなたがしあわせなら、それが何よりうれしいのです ― 思ひ出づや思ひぞ出づる春雨に涙とり添へ濡れし姿を

賀茂に常につかうまつりける女房の、久しく参らざりける、夢に、ゆふしでのきれに書きたりけるものを、直衣着たりける人の賜はせけるを見れば、 思ひ出づや思ひぞ出づる春雨に涙とり添へ濡れし姿をとありけるを見て、夢さめにけり。あはれと思ふほどに、手に…

Japanese Waka by Kamonokaki (God Kamo is one of the Shinto gods.) - Omoiizuya omoizoizuru harusameni namidatorisoe nureshisugatawo.

Note: there are three parts (A, B and C) in this short story. The Waka (B part) was read within and a part of the story. Waka: Omoiizuya omoizoizuru harusameni namidatorisoe nureshisugatawo. (“The Tales of Ima”, ep29 / source: Sumito Miki …

梅の和歌 花の鏡となる水は ― 年をへて花の鏡となる水は散りかかるをや曇るといふらむ

水のほとりに梅花咲けりけるをよめる 年をへて花の鏡となる水は散りかかるをや曇るといふらむ (古今集・春歌・伊勢/女性・44・9世紀) English(英語で読む) 現代語訳 水のほとりに梅の花が咲いていたのを詠んだ(歌)ながいあいだ梅の花を映し続けて花の…

Japanese Waka-Ume : Water which can reflect flowers – Toshiwohete hananokagamito narumizuwa chirikakaruwoya kumorutoiuran.

Composing a Waka by watching a Ume-flower beside a pond. Toshiwohete hananokagamito narumizuwa chirikakaruwoya kumorutoiuran. (¨Kokin Waka syuu (Collection of Ancients and Modern Poems)¨, Spring poem, by Ise, 44,9c) 日本語(Japanese) Transl…

氷の和歌 ガラス越しの波 ― 春風に下ゆく波の数みえて残るともなきうす氷かな

春風にしたゆく波の数みえて残るともなきうす氷かな (壬二集・六百番歌合・春氷・藤原家隆/男性・303・12世紀) English(英語で読む) 現代語訳 春風に(吹かれて氷の)下をゆく波の数が見え(るほどに透きとおっ)て、残るともなく消え残っている薄氷である…

Japanese Waka-Ice : Ripples through a pane of ice ― Harukazeni sitayukunamino kazumiete nokorutomonaki usukoorikana.

Harukazeni sitayukunamino kazumiete nokorutomonaki usugoorikana. (¨Minisyuu¨, The six hundreds poetry contest, Harukoori (Spring ice), by Fujiwara no Ietaka/male, 303, 12C ) 日本語(Japanese) Translation into modern Japanese A number of rip…

雪の和歌 雪の抱擁 ― 梅の花降りおほふ雪を包み持ち君に見せむと取れば消につつ

雪を詠む梅の花降りおほふ雪を包み持ち君に見せむと取れば消につつ (万葉集・春雑・作者不明・1833・8世紀) English(英語で読む) 現代語訳 雪を詠んだ(歌)白梅の花―(ゆっくりと)降りつもり、(梅の花を)やさしく覆うその雪を私のてのひらに包んで、…

Japanese Waka-Snow : Snow hug – Umenohana furioouyukiwo tutumimochi kiminimisemuto torebakenitutu.

Composing a Waka for the theme “snow”. Umenohana furioouyukiwo tutumimotchi kiminimisemuto torebakenitutu. (The Man'yōshū (Collection of Ten Thousand Leaves), Spring/other, Unknown author, 1833, 8C ) 日本語(Japanese) Translation into moder…

雪の和歌 雪の玉水、緑の松の戸 ― 山ふかみ春ともしらぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水

百首歌たてまつりし時、春の歌山ふかみ春ともしらぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水 (新古今集・春歌・式子内親王・3・12世紀) English(英語で読む) 現代語訳 百首歌を献上した時、春の歌(という題でよみました歌)山が深い(ために雪の多く積った所に…

Japanese Waka-Snow : Drop of snow water and gates of green pine tree – Yamafukami Harutomoshiranu matsunotoni taedaekakaru yukinotamamizu.

A spring poem, for when a hundred poems was presented to the retired emperor Gotoba. Yamafukami Harutomoshiranu matsunotoni taedaekakaru yukinotamamizu. (“Shin Kokin Waka syuu (New Collection of Ancients and Modern Poems)”, Spring poem, by…

立春の和歌 金の雲海、神話の春 ― 天の門の明くるけしきも静かにて雲居よりこそ春はたちけれ

敬語「侍り」 格助詞「の」 けしき 「に」の識別 係助詞「こそ」

Japanese Waka-The First Day of Spring : Sea of golden cloud, myth of spring –Amanotono akurukesikimo shizukanite kumoiyorikoso haruwatatikere.

This was read as a poem for the first day of spring. Amanotono akurukesikimo shizukanite kumoiyorikoso haruwa tatikere. (“Shintyokusensyuu”, Spring, by Fujiwara no Shunzei/male, 2, 12C ) 日本語(English) The theme is a poem of “the first da…

ごあいさつ ― もしくは、漢字かな交じり序

こんにちは。ななこです。 English(英語で読む) 和歌ブログは、古典の中のすてきな和歌をみなさまにご紹介するサイトです。古典を読みたいけど、どこから読めばいいのかわからない方、手軽に読める本は有名な古典ばかりで飽きちゃったという方、原文のまま…

Introduction

Hello, I'm Nanako. 日本語(Japanese) This “Waka Blog” is a site which introduces you some interesting Waka. This site is created and will be updated by me (Nanako) with my selection of Waka poems. This site maybe useful for those: who wishe…