和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

ごあいさつ ― もしくは、漢字かな交じり序

 こんにちは。ななこです。

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歌ブログは、古典の中のすてきな和歌をみなさまにご紹介するサイトです。古典を読みたいけど、どこから読めばいいのかわからない方、手軽に読める本は有名な古典ばかりで飽きちゃったという方、原文のまま読めるようになりたい方、受験生なんだよ!という方々にむけて、ななこがいいなあと思った和歌の感動をそのままにお届けします。

 

最初に和歌本文現代語訳を、次に内容解説を、最後に古典文法解説品詞分解を載せます。とにかく気軽に楽しみたいのだ、細かいこたあいいんだよ!という方には内容解説まででも楽しめるように。受験生なんだよ!という方のためには品詞分解と文法説明をがっつりつけますので、参考になさってください。受験生、心から応援します。がんばって!!

 

引用元について 

詞書・和歌・歌集名・部立・作者名・歌番号は『新編国歌大観』(角川書店)をもとに、私に適宜表記を改めています。『万葉集』のみ旧番号、それ以外は新番号を採用しています。
現代語訳・文法解説・内容解説・考察は、ななこのオリジナルです。この部分を引用される場合は、必ず引用元となる元記事のタイトルと元記事のURLリンクを併記してください。事前のご連絡は必要ありません。なお、全て(の予定)の和歌に英訳ページを併設していますが、英訳はななこの友人BCat氏のオリジナルです。英訳ページを引用する場合も必ず引用元となる元記事のタイトルと元記事のURLリンクを併記してください。

和歌を解釈する上で参考にした辞書・文法書・注釈書・論文は、そのまま引用する場合に限りそのつど表示します。

 

プロフィールアイコンの転載は厳禁です。

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自力で古文が読める!ようになる必要がある方へ

文法説明はできる限り詳しくしたいと思いますが、助詞の意味や助動詞の活用表などは学校で使う教科書や文法書をご覧ください。教科書がなければ古語辞典の付録にもついています。

 

で、古文の勉強をどうするかという話ですが、教科書の現代語訳か参考書の現代語訳を手に入れていくつか読んでみてください。現代語訳なら何でもよいわけではありません。図書館にあるような古典文学全集はダメです。あれは読みやすいように現代語に近く書かれています。受験生用に書かれた、古文を忠実に訳した現代語訳を読んでください。教科書の現代語訳は授業中に聞くでしょう。問題集の解答でも構いませんし、参考書のコーナーに行けば品詞分解付きの古文・現代語訳・文法説明が揃っている本がいくつかの出版社から出ています。

 

というのはですね、古文と現代文はそもそも文章構造が違うのです。文法は何となく覚えた。古文単語帳も半分くらいやってみた。初めて見る古文も何となく意味がわかるけど途中からこんがらがってきて答え合せをしたらもう全然違う話だった、でしょう。おそらく。参考書か問題集を一冊買って、現代語訳を見てください。主語や述語がかっこつきで(光源氏は)(御息所に)(お思いになった)などと補われているはずです。長い文章は途中で句読点が打ってあるでしょうし、接続助詞や副詞もかっこつきで(しかし)(今は)などと補われているはずです。ざっと見ただけでわかります。古文は補わなければ理解できないのです。慣れない高校生が古文を読んで理解できるはずがないのです。あれは内輪の話ですから。古文って、キホン内輪の話なんです。平安時代の貴族人口って1000人くらいですから。その間で通じればよい話なのです。

 

自分がどうして古文をそこそこすらすら読めるようになったのか思い返すと、現代語訳を読んでいた以外に特筆すべき勉強法がみつかりません。いや、活用形とか接続とか、覚えましたよ。覚えましたけど、覚える前からそこそこ読めてた。それは古文の文体に慣れていたからだと思います。で、当ブログの和歌にも現代語訳と品詞分解をそのままつけていますので、参考書選ぶのめんどいわ、という方は参考書代りにどうぞ。


で、文章構造をつかんでも文法知識がないと読めません。

最初に和歌本文と現代語訳・内容解説がありますので、お手元の文法書や古語辞典を参考にしながら品詞分解と文法説明を自力で考えてみてください。和歌本文と現代語訳を見比べて、「らむ」を「~だろう」と訳しているから推量かな?のように当たりをつけて文法書をひきましょう。当たりをつけるのは大事な能力です。最初から自力で現代語訳を作ろうとしたら途中で嫌になりますし、基礎力がない時点ででたらめな訳を作っても意味がありません。

もうホントに古文は苦手で現代語訳見てもさっぱり意味がわからないという方は遠慮なく、最初からななこの文法説明を読んでもかまいません。ただし、ブログの文法解説を読んだら必ず手元の文法書を確認してください。

 

文法書や古語辞典を駆使して1首の文法を正確に、カンペキに理解して覚えてください。覚えたら誰か知り合いに(犬でも猫でも2次元の彼女でもかまいません)文法を説明してみてください。何も見ないで。「…っていう和歌があるんだよ。現代語訳は…で、ここをこう訳したのは助動詞○○と××があるからなんだ。これが助動詞○○である理由は、上に何形で接続して下に○○があるかどうかで判断するんだよ。重要単語はこれとこれ。」ここまでできたら完璧です。

 

これをまずは10首くらいやってみましょう。だいぶ文法の仕組みが見えてきます。10首まではきついかもしれません。文法書をひき古語辞典をひっくり返し活用形を思い出し…ここを乗り越えてください。そうすれば次の10首は半分の労力でできます。とにかく30首まで覚えてください。覚えやすそうな和歌でかまいません。和歌は1首で31文字ですから30首で930文字。400字詰めの原稿用紙2枚ちょっとくらい。140文字のTwitterで6投稿ちょっとくらいです。なんとかいけるのではないでしょうか。

 

ここまでくれば授業中の文法説明もかなり意味がつかめるようになってきます。もう一度自分の文法書を見直してみましょう。何ページありますか?厚さ何ミリくらいですか?1センチもないはずです。これならいけます。

受験までに必要なのは、初めて見る古文を読んだら何となく意味がわかるけど問題を解くと間違っている、ようになることではありません。何度も読んで暗記していて意味も文法も現代語訳も正確に説明できる古文をひとつひとつ増やしていくことです。正確に理解できる、ではありません。正確に説明できる、です。

 

もちろん、和歌の勉強だけしていても満点は取れません。古文の入門「主語の特定」と、ラスボス「二方面への敬意」は和歌にはありません。学校の授業もしっかり聞いてください。しかし、なんといっても和歌は短い。ひとつカンペキに仕上げた!という実感がわきやすい。まずは30首です。とにかく30首。がんばれ!

 

※注意点…文法書によって、文法用語には違いがあります。また、和歌に限らず、文章には読む人によって複数の解釈が存在します。当ブログでの文法用語・解釈と、学校で習った文法用語・解釈とが異なっていた場合、学校の試験では学校で習ったとおりに書いてください。