和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

梅の和歌 夜の戸を開けたら、そこは梅の世界でした ―真木の戸をあけて夜深き梅が香に春のねざめをとふ人もがな

真木の戸をあけて夜深き梅が香に春のねざめをとふ人もがな (続拾遺集・春上・題しらず・藻璧門院少将/女性・48・13世紀) 現代語訳 (ある春の晩にふと目が覚めて、何かに誘われるように外に出ようと)戸を開けると、そこはまっくらな夜の中、一面の梅の香…

春の和歌 冬来たりなば、春遠からじ ― 花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや

若草花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや (壬二集・六百番歌合・藤原家隆・304・12世紀) 現代語訳 若草(を詠んだ歌)(まだ花が咲かない春が来ないと)待っているだろう人に、山里に積った雪のあいだにわずかに芽吹いた若草にも春は来てい…