和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夏の和歌 魂はどこへ ― うつせみの殻は木ごとにとどむれどたまのゆくへを見ぬぞかなしき

からはぎ空蝉の殻は木ごとにとどむれどたまのゆくへを見ぬぞかなしき (古今集・物名・読み人しらず・448・10世紀) 現代語訳 蝉のなきがらはその命を終えた木ごとに留まっているけれど、その魂のゆくえを見ることがないのは悲しいことだ。(あれほど力強く…

海の和歌 おみやげに貝殻を ― 家づとに貝を拾ふと沖へよりよせくる浪に衣手ぬれぬ

家づとに貝を拾ふと沖へよりよせくる浪に衣手ぬれぬ (風雅集・雑歌中・題しらず・読人しらず・一七一五) 現代語訳 おみやげに(と思って波打ち際の)貝を拾うとはるか遠くの海の沖から寄せてきた波に(わたしの)たもとが濡れました。 内容解説 春のゆくへ…