2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧
時のまもえやは目かれむ桜花うつろふ山の春のあけぼの (為家集・春・藤原為家/男性・140) 朝見花さしのぼる日影をそへて紅の色にうつろふ花ざくらかな (為家集・春・藤原為家/男性・163) 現代語訳 ほんの一瞬でも目を離すようなことができるだろうか(…
百首歌たてまつりし春歌山たかみ嶺のあらしに散る花の月に天霧るあけがたの空(新古今集・春歌下・二条院讃岐/女性・130・12世紀) 現代語訳 百首の歌を詠んで献上した時に詠んだうちの、春の歌山が高いので(風は)嶺をかけめぐる嵐(のよう)に(吹き荒れ…
人につかはしける雨やまぬ軒の玉水かずしらず恋しき事のまさるころかな (後撰和歌集・恋一・平兼盛/男性・578・10世紀) 現代語訳 (思いを寄せている)女性に贈った歌雨がやまない(日の、私の家の)軒先から宝石のように透きとおった雨水が数えきれない…
春のころしのぶる事ある女のもとにつかはしけるおもひあまりそなたの空をながむればかすみをわけて春雨ぞふる (長秋詠藻・藤原俊成/男性・328) 現代語訳 春のころ、秘密の恋人である女性のもとに贈った(歌)(あなたを恋しいと)思う気持ちのあまりにあ…