和歌ブログ [Japanese Waka]

国文系大学院生がひたすら和歌への愛を語る記録

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋の和歌 人生で一番の思い出は?ときかれたら ― 秋をへて老となるまで馴れにけり月よりほかの思ひ出ぞなき

幾秋を経て老いの身となるまで(あの月に)親しんできました。(私の人生に何があったかと聞かれれば)月より他の思い出はない(と言ってもよいほどに)。

雑の和歌 友達が挨拶してくれなかったので つづき ― 玉桙のみちゆきずりに訪はずともつねに心はゆきかふものを

きのうのつづきなんですけれど、一言かけろよと言ってきた友人に返した歌です。連絡はしなかったけど友情はかわらないよ☆ みたいな返事。歌の内容については、いいです。このやりとりを歌でおこなったということが、現代には失われた人間関係の構築のしかた…

雑の和歌 友達が挨拶してくれなかったので ― 親しきも疎きもなしと聞きしかどわきてしもやは訪ふべかりける

親しいお坊さんがですね、自分の住んでいるところのとなりに来ていて、何の用か知らないですけど、来ているのに自分に何も言ってこなかったんです。うーん、この、この微妙な距離感。いや、となりに来たお坊さんからすれば、別にその友達に用があって来たわ…