2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
雨夜老人思といへる心を夜もすがら涙も雨もふりにけり多くの夢の昔語りに (続後撰集・雑歌下・大納言隆親・1206・13世紀) 現代語訳 雨の夜の老人の物思い、という主題を(雨の夜に、過ぎ去った過去のあれこれを思っていると、若かった頃のこと、亡くなった…
返死ぬ死ぬと聞く聞くだにもあひ見ねばいのちをいつの世にか残さん (後撰和歌集・恋三・源信明/男性・708・10世紀) 現代語訳 (中務の歌への)返歌(そうはおっしゃいますけど、)「死ぬ死ぬ」と(何度申し上げても)「はいはい何度も聞きました」と言う…
源さねあきら、たのむことなくは死ぬべしといへりければいたづらにたびたび死ぬといふめれば逢ふには何を替へんとすらん (後撰和歌集・恋三・中務/女性・707・10世紀) 現代語訳 源信明が、「(中務に)逢えないなら死にたい」と言ってきたので、(ふつう…